hisayochang's diary

藤沢市議会議員 東木ひさよの公式ブログ

犠牲者ゼロの防災目指して

 今日は片瀬しおさいセンターで、片瀬小学校・片瀬中学校PTAの皆さんを中心に講演会が開催され、素晴らしい内容で2時間半があっという間でした。群馬大学理工学研究院教授の片田敏孝先生です。3.11の震災で「釜石の奇跡」で有名になった方。全国の震災リスクの高い地域に、防災教育を通して犠牲者を出さないこと取り組みでモデル地域を作ろうと岩手・高知・和歌山と通い続けていらっしゃいます。以前『人が死なない防災』の書籍を読み感動し、是非一度お話をお聞きしたいと思っていたので、他の予定を急きょ変更して参加させていただいたのです。

 

いのちを守るため、何より大切な施策であり、公明党としても国でも、市においてもハード、ソフトあらゆる面で政策を提案。私も、女性の視点での防災対策をテーマに議会で質問を繰り返してきました。まだまだ、十分とはいえませんが、一方、行政で安全対策を究めようとすると、それは際限なく経費が掛かること。マンパワーの面からも行政でできることは限られています。行政に依存しないで、各自、各家庭で守りあうことが大切と思っていました。(願わくば隣近所で守りあえると一番理想で、今後の課題ですね)

様々な面からヒントをいただいたのですが、ポイントをまとめると

●「子どもたちへの防災教育を契機に世代間で災いをやり過ごす知恵が継承され、地域にその知恵が文化として定着・根づくことを目指す」ことを目的として、

●その教育とは「大いなる自然の営みに畏敬の念を持ち、行政に委ねることなく、自らの命を守ることに主体者たれ」との信念に基づいて、避難3原則;「想定にとらわれるな」「最善をつくせ」「率先避難者たれ」を徹底。

●主体性を醸成するには脅かしや知識ではなく「姿勢の防災教育」・・自然と共存しながら、自らを取り巻く人々と、共に手を取りながら生きる力をはぐくむ教育が大切。正しく恐れる。そして、学校・家庭・地域との連携を図り、津波防災教育を地域に波及させること

●これからの防災の在り方は・・①一義的には、災害で人を死なせないこと。②自助・共助・公助が一体となって、地域社会として、自然災害に立ち向かう社会の構築。

③「災害に備えることが当たり前」という文化をの醸成

等々

 

「普段は海岸沿いでの生活を楽しみながら、しかし、いざ、津波が来たら、子ども達の一人一人が自分の判断で逃げること、自分でいのちを守ること」、文化として根付かせること、まさに行政に依存しない自立した防災の理念でした。こうした根本理念が根づくことで、市民の方の心に安心が生まれると思いましたし、他の施策も活かしていけると思いました。海岸沿いの津波のリスクの高い地域はいっそう不安が強いと思いますが、海側だけでなく、是非、市全体としても、多くの方に聞いていただきたいと思いました。何かの機会で、再度、講演を要望していきたいです。